おしゃれな焼鳥フレンチでジョージアワイン
【Kamiya】兵庫県芦屋市
白木のカウンターが目をひくシンプルな店内。カウンターの中の炭火焼きスペースを見て、ようやく焼鳥があるんだと気付くほど。前菜から始まるお任せコースは、一品料理と焼鳥を取り混ぜた多彩な内容。ソムリエでもあるオーナーシェフ、神谷道弘さんセレクトのワインと共に、ゆっくり楽しみたい。
「面白いワインを用意していますのでグラスワインでいかがですか?」と出されたのは、ジョージア(グルジア)ワイン。ジョージアは世界一古いワインの産地で、旧ソ連時代はほぼロシアだけで消費されていたが、近年各国に輸出されるようになり、日本でもその味が注目されている。「ブドウを皮ごと醸造したオレンジワインのシェリー酒のような風味が、焼鳥や和のダシによく合います」と神谷さん。
肉質が良くてやわらかい淡路の朝引き鶏を、土佐の備長炭でじっくり丁寧に焼き上げ、味付けは塩か特製のタレ。「焼き鳥そのものはシンプルな料理なので、一品料理をコースの合間に出して、味のメリハリや季節感を取り入れる」とはこの店のコンセプトだ。焼鳥が美味しいのはもちろんだが、フランスや神戸の名店で修業をしたシェフが作る、ムースやサラダなども格別!
Kamiyaのお楽しみは、和紙の袋に入った「もなか」。まだ三品目なのにデザート?と首をかしげたくなるが、もなかを割るとフォアグラのテリーヌが現れる。パイナップルやイチジクなど、季節によって変わるジャムと共に味わうと、とっても贅沢な気分に。
シメは、ミニサイズのラーメンか親子丼が選べる。私はあっさりしたダシの細麺ラーメン。これがまた、お腹いっぱいでも食べられてしまう。
女性同士のランチ会で人気の店だが、最近はワインの生産者をはじめ、海外からのお客さんが増えている。欧米の人に焼鳥はカジュアルな和食として喜ばれているようで、神谷さん自身も「日本文化の良さを料理を通して海外の人に伝えたい」と、料理やアルコールのセレクトに知恵を絞る。肉の塩けをリセットしてくれる甘さのある地酒もそろって、日本酒党にもおすすめだ。
◆ MENU
グラスワイン 864円~
ワイン飲みくらべ3種セット 2,160円
ランチコース 3,240円
ディナーコース 5,400円
◆ Data
Kamiya(かみや)
電話:0797-35-7130
住所:兵庫県芦屋市川西町2-37 アシヤサウザンドビル201
営業:11:30~14:30(12:30LO)、18:00~21:00(LO)
休み:日曜
◆ Writing / 松田きこ
(株)ウエストプラン代表。兵庫県西宮市在住。食・観光・人物取材に日本中を飛び回る。ライター歴20年以上。編著書「神戸・阪神間 美味しい酒場」「くるり西宮・芦屋・東灘・灘」「くるり丹波・篠山」他
http://www.west-plan.com/
◆ Photographer / 篠原耕平